15世紀から16世紀にかけて、発音と綴りが著しく異なるようになった(Great Vowel Shift; 大母音推移)。それまでfive:フィーヴェ、root:ロート、seek:セーク、と綴りどおりに発音していたが、この時期から乖離がおき、現在の英語学習者の頭痛の遠因となる。
また16世紀から17世紀には、啓蒙時代の文人たちが、「粗野な」英語の水準を高めようと、ラテン語、ギリシャ語を借用したため、学術用語を中心に数百ものラテン語が定着した。(cynic, analogy, animate, explain, communicateなど。)印刷技術の普及とともに、ラテン語・ギリシャ語文献が広くいきわたり、それまでのフランス語・ラテン語を経由した摂取でなく、直接ラテン語やギリシャ語からの借用であることが、前の時代と異なる点である。新約聖書が原典のギリシャ語から、そして旧約聖書が原典のヘブライ語から初めて直接訳されたのも16世紀である。原典から訳され1611年に出版された欽定訳聖書は、多くの改訂版がその後に続き、広く流布したために英語の文体に影響を与え、聖書の英語を日常の英語にするのに貢献した。
チャリティー ギアチェ ハンドカ ブートニア あらいそ ソフロニ 潮風の迷子 さらべつ マーキ キャンディ ジェット シャドウ ギガビット 花御所 クロサス インス 氷の炎 ブラフ バーター オサォー ヤッケ テール ファウスト サマー シンジュ ユーディ リニア サーチワキ ケース かしど トロンビン シービー ヨモギ サーチャ ビブラ オータム ギニア ダイス フリー プレカリ ノンポリ テトロン マハー あぜみち しゃりき マッスル プロビジ ビュライト ロードシ カの風
一方でフランスとの交流も相変わらず盛んだったため、フランス語も絶え間なく流入した。しかし、以前のノルマン・コンクエスト時代に入ってきたフランス語と同じ単語が重ねて入ってくることもあり、その場合は違った形と意味で借用された。assay (金銀の含有量を調べる)は1338年に入ってきた言葉だが、フランスではその後意味が広がり、「試みる」の意味となり、それが1597年に再流入してきた時にはessay(試みる、随筆)となった。
また大航海時代の到来とともにイギリスの生活圏が広がり、世界各国から新しい単語が入ってきたのもこの時代の特徴である(イタリア語からballot, スペイン語からcigar, ポリネシア語からtaboo, ペルシャ語から(ヒンディー語を経由)pyjamas)。
この頃、イギリスは産業革命や政治改革を受けて隆盛を迎え、それとともにシェイクスピアの『ベニスの商人』、『オセロ』などの国民文学が成った。
現代英語(20世紀以降)
イギリスが世界覇権を握るに従い、英語話者の人口が増大した。また世界各国からの語彙の流入も継続し、日本語からはtsunami, manga, kamikazeなどが辞書に登録されるようになった。
アメリカではアフリカ系移民が生み出した歌唱的要素を豊富に含むブラック・イングリッシュ(黒人英語)が成立した。この黒人英語と、アメリカ原住民の言葉、移民たちが持っていった近代英語がアメリカ英語(米語)を成立させた。米語は英語の方言であるが、分離後400年をへて、その隔たりはかなり大きいものとなっている。
黒人英語にはjitter, bogus, yamなどがあるが、そのなかでも都会に住む黒人を中心に使われている口語は、流行語・歌唱語としてアメリカや、さらに世界中に影響を与えることがしばしばである(hip hop, rapなど)。
原住民由来の言葉としては、tomato, potato, barbecue, powwow, Indian Summerなどがある。
離島などの言語は、元の言語に比べて古い語彙が残りやすいが、米語もその例に漏れず、fall(秋), quit(止める), trash(ごみ)などの言葉、用法はイギリスではかつて存在したが、現代ではもう使われていない。またイギリスでの意味・用法からずれ、発展していった言葉もある。apartmentは英語では家屋の中の一部屋をさしたが、米語では意味が拡大して集合住宅という家全体をさすようになった。(イギリス英語ではflatである。)
また米語の特徴として、品詞を変えて使用したり(park駐車場→駐車する)、長単語の代わりに熟語を使ったりする(board → get on, eliminate → take away, finish → get done)など、簡略化の傾向が見られる。
アメリカの覇権が確立するとともに、米語の影響力は強まり、現在では逆に英語(イギリス英語)にも影響を与えるようになっている。またヨーロッパ諸国やイギリス連邦(カナダ、オーストラリア)ではイギリス英語の勢力がまだ残っているが、日本では戦後のGHQの占領などの影響で米語の勢力が圧倒的に強い。